数値のかけ離れた折れ線グラフを同じ縦軸で表示したい(1)
複数の系列を折れ線グラフで表したとき、極端に数値の小さい系列があると、その系列のグラフはほとんど見えなくなってしまいます。ちょうど下のような例でしょうか。
このグラフは過去10年間のタオルの輸出入量の推移を表したものです。
グラフ上の表を見ると、輸出数量(3行目)は輸入数量(2行目)に比べて極端に少ないことがわかります。この表を元に、ごく普通に折れ線グラフを作成すると、この画像のように輸出数量はゼロ近くを、まるで地を這うように表示されてしまいます。これでは、輸出量の変化が伝わりませんね。
こういう場合、こちらの記事でも紹介したように、輸出数量を第2軸に設定する方法があります。こうすれば桁の大きな輸入数量とは目盛を別に表示できるので、輸出の数量変化も読み取れます。
ところが、上のグラフ、よく見ると12年度のところで輸出数量が輸入数量よりも上に位置しています。これでは輸出が輸入を上回ったていたかのように錯覚してしまいそうですね。誤解を招きかねない形状になるため、このような場合は第2軸を設定するのはやめたほうがよさそうです。
そこで今回は、上のようなグラフを作成する方法を紹介します。
ポイントは数値の小さい輸出数量も変化がちゃんとわかるように、縦軸の下の方は目盛間隔を変更している点です。さらに縦軸の目盛の途中を省略しているように見せています。
これはふたつのグラフを合成して作ります。
手順が長くなるため、今回から3回に分けて作り方をご紹介します。
まずは、横軸に表示する項目が入力されたセル(ここでは年度)と数値が小さい系列(ここでは「輸出数量」)のセルを選択し、「挿入」タブをクリックして、「折れ線」→「折れ線」を選択します。
輸出数量の折れ線グラフが描画されたら、グラフの細部を設定しましょう。この例では、凡例を削除し、さらに横軸、縦軸ともに内容を示す軸ラベルを追加しています。
次に、プロットエリアを選択し、上中央のハンドルを下にドラッグして、グラフの高さを半分程度に縮小します。続けて、「レイアウト」タブをクリックし、「軸」→「主縦軸」→「その他の主縦軸オプション」を選択します。
「軸のオプション」を選択し、「目盛間隔」を「固定」に変更して、目盛の数値を大きめに変更します。これで寸詰まりになっていた目盛の間隔が広がり、見やすくなりました。
続きは来週火曜日に更新予定です。お楽しみに!
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